患者家族滞在施設(リラの家)の運営や、患者家族会・障害児支援事業への支援を行い、小児医療への側面支援をしていきたい~NPO法人スマイルオブキッズ・代表理事・田川尚登さん

(スマイルオブキッズ代表理事・田川尚登さん(右))
神奈川県立こども医療センター(横浜市南区)に長期入院する子どもの闘病生活を支えるため、患者家族滞在施設(リラの家)の運営をしたり、きょうだい預かり保育の実施により、患者家族の負担軽減を図る事業を行っているのが、NPO法人スマイルオブキッズ(横浜市南区)。同団体の代表理事・田川尚登さんに、設立までの想いや活動内容、寄付・協力集めについての取り組みなどについて、話を聞きました。
ーーNPO法人「スマイルオブキッズ」を設立された経緯を教えてください。
1998年、それまで健康に成長していた6歳の娘が難病を患い、こども医療センターで治療、入院。闘病中に精神的な不安を抱えていた頃、病院の担当医やスタッフの方々が家族と共に悩み、励まして下さったことに感謝の気持ちが湧き、何か小児病院の医療環境の改善や小児医療に関する側面からの支援ができないかと考え、2003年にNPO法人を立ち上げました。
――こども医療センター・患者・家族滞在施設「リラのいえ」を運営されているのですね?
「リラのいえ」は、全国から難病の治療に訪れる患者・家族が安価で宿泊滞在できる施設です。病院から近く、面会時間以外はゆっくりくつろげるようなプライバシーが守れる個室と自炊設備、洗濯室などが備わっています。同じ境遇の家族が寄り添うことで精神的な不安も解消できることを願っています。ボランティアが運営に関わり24時間、365日運営しています。(横浜市南区六ッ川4-1124-2、木造平屋 個室8室、共同キッチン、リビング、洗濯室等)
――その他、「きょうだい預かり保育」も行われているのですね? 滞在施設「リラのいえ」のリビングを利用し、入院・外来の患児のきょうだいを専門の保育士が預かり保育をしています。きょうだいは親の愛情が患児に多く向けられるため、ストレスを抱えています。きょうだいは病院では診察室や入院病棟には入れず、部屋の外で待つしかありません。その待ち時間などを利用し、専門保育士がマンツーマンで保育することによって子どものストレスを解消させる目的で始めた事業です。
――実際に、「リラのいえ」を利用するご家族は、どんな地域から来られるのですか?また、利用状況はいかがですか?
利用する家族は、日本全国北は北海道から南は沖縄までですが、海外からも治療に来られる家族もいます。神奈川県内の利用者が1番ですが、その他の地域では、東北地方からの利用者が特に多いですね。利用状況は年間を通して平均70%の稼働率で年々稼働率が上がっています。月によっては90%以上の稼働率で満室状態です。
――たくさんの企業がサポートをしているようですが、貴団体は「寄付」や「協力」について、(支援や共感を得るために)どんな工夫、取り組みをされていますか? また、現在、不足していること、募集しているものは何ですか?
年2回、活動報告として会報を支援者に送付しています。毎年6月頃にはスマイルオブキッズの活動や広報活動も含めたチャリティーコンサートを横浜みなとみらいホールとミューザ川崎シンフォニーホールで交互に開催しています。また地域の大学のサービスラーニング(ボランティア体験学習授業)の学生などを受け入れています。地元企業からも物的支援や労力の支援もいただいています。共に活動に共感していただけるボランティアスタッフを常時募集しています。
――チャリティコンサートも開催されているようですね?
小児専門病院には滞在施設の存在が必要だと、社会に向けたアピールの場と建設費を集めるために開催したのがきっかけで、今年で8回目になります。開設後は施設の維持費やNPOの活動に使わせていただいています。今年は6月15日(土)15時からミューザ川崎シンフォニーホールで開催します。
――今後の取り組みについて。どんな活動をしていきたいですか?
病気や障害がある子どもと家族の支援として、預かり保育用のプレイルームの増築や難病や重度の障害児対象に生活の質を高めるために、音楽を取り入れた療法を確立していきたいです。
【関連リンク】
▽NPO法人スマイルオブキッズ
http://www.smileofkids.jp/
▽NPO法人スマイルオブキッズ
https://smileofkids.jp/index.html
▽難病の子どもたちが家族と笑顔で過ごせる時間と場所を提供。「NPO法人スマイルオブキッズ」:田川尚登さん、上原喜久子さん (かなチャリ)
https://kanachari.jp/blog/5902.html