活動について広く発信し、皆さんに共感いただきながら、途上国の自立支援を続けていきたい。~認定NPO法人「地球の木」の筒井由紀子さん


神奈川県を中心に、 ネパール・カンボジア・ラオスの人々とつながり海外支援活動をする国際協力NGO、認定NPO法人地球の木(横浜市中区)。 少数民族、貧困家庭の少女たち、開発のため暮らしが脅かされている村人たちなどアジアの途上国の人々が、自ら力をつけて、困難な状況を改善し、住民主体の地域づくりを行えるように、現地のNGOパートナーと協力しながら、支援を行っている団体です。事務局長の筒井由紀子さんに、途上国への自立支援のあり方についてや、団体の共感の広げ方などについて、話を聞きました。
――「地球の木」の母体は生活クラブ生協・神奈川から生まれた団体だとか。筒井さんが団体に関わられたきっかけは?
「地球の木」は、1980年代後半に起きたアフリカの飢饉への緊急支援をきっかけに、1991年に生活クラブ生協神奈川から誕生した国際協力NGOです。
誰でもできる活動として、1ケ月にランチ1食500円を集めることから始め、これまで20年間にわたり、ラオス、フィリピン、カンボジア、ネパールで困難な状況にある人々への支援を行ってきました。2010年に認定NPO法人となりました。私が「地球の木」に関わったのは1995年から。同じく生活クラブ生協のメンバーだったのですが、プライベートでタイの少数民族の村へ行って、現地行われている支援を見て、本当に必要な支援について考えてみたいと、この団体に関わることになりました。
――「地球の木」は、ネパール、ラオス、カンボジアで国際支援をされているのですね。
例えば、ネパール(カブレ郡マンダルタール村)では、「高校を拠点にした教育支援を通して、少数民族の地位向上を目指す」活動▽ラオス(サワナケート県)では、現地で活動するNGOと共に、「森林の保護と農業の改善で、安定した暮らしを送れるように支援する」活動▽カンボジア(タケオ)で「職業訓練センターでのシルクグッズの制作・販売を通して、女性の自立を支援する」活動を行っています(=写真)。日本国内では、地域や学校での社会教育活動、開発教育教材の出版▽東日本大震災では、被災地気仙沼のNPO法人「Tree Seed」の支援なども行っています。
――現在行っている寄付・協力などの支援方法や取り組みについて教えてください。
「地球の木」は、生活クラブ生協を中心に約890人の会員のみなさんの会費とご寄付によって運営されています。
支援方法としては、①会員になる、②寄付をする、③その他があり、①は個人会員(正会員は、500円×12ヵ月=年会費1口6000円など)と団体会員があります。②は、継続的な海外支援をするための安定した団体運営を目的とした寄付をはじめ、プログラムを指定する寄付も可能です。3年前に、認定NPO法人になりましたので、皆様からのご寄付は、寄付金控除の対象となります。その他、ボランティアやインターンシップも受け付けています。
――寄付や協力の方法について、何か工夫されていることや課題はありますか?
皆様の寄付で、こんなことができます。例えば、1000円で、ラオスの村人のために、森や土地の権利を絵で説明したカレンダーを8冊作ることができます。3000円で、カンボジアの1人の少女が職業センターで1ケ月の織物研修を受けられます。5000円で、ネパールの少数民族の村で、1人の学生が1年間高校へ通うことができます。このように、さまざまな支援プログラムを用意しています。
――たくさんの支援プログラムがあるのですね。今後やっていきたいことは?
これからも、途上国の自立支援を続けていきたいです。支援を通じて、多くの人々と幸せを分かち合い、世界とつながっている私たちの暮らしはどうあるべきかを考えていきたいですね。
これまで、会員の方々の会費を中心に運営してきた感もありますので、今後はもっと私たちの活動を広く理解いただけるように、いろんなところに出かけて発信し、一般の方々にもっと共感を得られるようにしていきたいですね。
◆筒井由紀子さん・プロフィル
(認定NPO法人 「地球の木」 事務局長)
東京都出身。結婚後、横浜で子育てをおこなう中で、生活クラブ生協神奈川から生まれた国際協力NGO「地球の木」の活動に参加。理事を経て、2003年より現職。ラオス・カンボジアでのフェトレード事業も担当。
【関連リンク】
▽NPO法人地球の木
http://e-tree.jp/
▽NPO法人地球の木がネパール・カンボジア・ラオス支援「幸せ分かちあい」募金への協力を呼びかけー1月末まで(かなチャリ)
https://kanachari.jp/blog/10894.html